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代表のワトソン容疑者の指示内容は?…「言いにくい」と証言拒む SS元船長第3回公判(産経新聞)

【法廷ライブ SS元船長第3回公判】(6)

 《環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」元船長のピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)に対する男性検察官の被告人質問が続いている》

 検察官「弁護側が供述調書の一部の内容について(信用性を)争うとしていますが、調書にはあなたの言い分が書かれていますね?」

 被告「そうだと思います」

 検察官「事件に使ったランチャーは誰の指示で用意しましたか」

 被告「たくさんの人が参加した(SSの)ミーティングでランチャーを使うことになりました」

 検察官「代表に指示されたのではないですか」

 《検察官が具体的に指摘した「代表」。ベスーン被告に犯行を指示したとして、東京海上保安部が傷害などの容疑で逮捕状を取っているSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)のことだ》

 被告「ポール・ワトソン(容疑者)もミーティングに参加していました」

 《検察側のベスーン被告の供述調書によると、ワトソン容疑者は昨年6月に開かれた会議で、ベスーン被告にランチャーの用意を指示したとされる》

 検察官「ポール・ワトソンがリーダーですね?」

 被告「はい」

 検察官「2月11日の事件前、ポール・ワトソンから直接指示を受けたことはありますか」

 被告「2月10日ごろだと思いますが、はっきり覚えていません」

 検察官「どういう指示を受けたのですか」

 被告「色々な指示がありましたが、通常、多くの場合は航海士から指示をされました。ただ指示の出所はポールだと思います」

 《ベスーン被告はワトソン容疑者に関する証言では歯切れが悪く、要領を得ない。検察官が質問を重ねる》

 検察官「ポール・ワトソンの指示に関して述べられている供述調書がありますが、内容に間違いはありませんか」

 被告「(この場で)具体的に言ってもらえれば、正確に答えます」

 検察官「『供述調書の内容に間違いがないことを確認して、署名した』と証言してますよね?」

 被告「はい」

 検察官「ポール・ワトソンの指示について、言いにくい事情があるのですか」

 被告「あります」

 《ベスーン被告は弱々しい声で答える》

 検察官「どういう事情か言ってもらえますか」

 被告「いいえ。拒否します」

 検察官「取り調べの中でも言いにくいことには『ノーコメント』を繰り返していましたね?」

 被告「はい」

 検察官「そのことで検察官が暴力を振るったり、怒鳴ったりしたことはありますか」 

 被告「ありません」

 《検察官は起訴前の取り調べで、ベスーン被告が自発的にポール・ワトソン容疑者の指示を認めたことを確認したいようだ》

 検察官「事件前にランチャーを何回ぐらい撃ちましたか」

 被告「覚えていませんが、多数回撃ちました」

 検察官「(ベスーン被告が船長を務めたSS抗議船の)アディ・ギル号から撃ったのですか」

 被告「そうです」

 検察官「アディ・ギル号以外から撃ったことはありますか」

 被告「ありません」

 検察官「何を狙って撃ったのですか」

 被告「氷山です」

 検察官「(事件当時、ランチャーを撃つ際に乗船していた)ゴムボートと、アディ・ギル号とでは揺れ方が違うのじゃないですか。ゴムボートでは何回撃ちましたか」

 被告「分かりません」

 検察官「ボートから第2昭南丸までは15メートルぐらい離れていましたね?」

 被告「はい」

 検察官「酪酸(らくさん)入りの瓶の重さはどれくらいですか」

 被告「450グラムぐらいです。推測なので、もう少し重いかもしれません」

 検察官「15メートル先の壁にビール瓶を力いっぱい投げつけたら、瓶の破片や中身は相当広く飛び散るのではないですか」

 被告「壁にぶつかると、威力は円形に波及して吸収されます」

 《ベスーン被告は両手で円を描きながら証言した。破片などは広範囲に飛び散らないことを訴えたいらしい》

 検察官「ホースで壁や車に水を掛けたことはありますか」 

 被告「あります」

 検察官「壁に当たった水が跳ね返り、自分にかかったことは?」

 被告「ありません。それにホースの水と酪酸入りの瓶は性質が違います」

 《ここで検察側は証拠として、第2昭南丸から回収した酪酸入りの瓶の破片を示す。ビニールの中に一握り分ぐらいの黒っぽい破片が入っている。検察官は左手でビニールを掲げながら、ベスーン被告に近づくと、ベスーン被告が口を開いた》

 被告「(ビニール袋を)開けなくていいです」

 《ベスーン被告は瓶に酪酸のにおいが染みついていると考えたのだろうか。検察官は破片をビニールに入れた状態で質問をする》

 検察官「(船内に散らばった)破片の分量はこの程度だと思いますか」

 被告「もっとあると思います。(袋に入っている破片は瓶全体の)半分程度だと思います」

 検察官「これは瓶が命中したところの近くから回収しました。半分ぐらいがもっと広範囲に飛び散ったことになりますね」

 被告「はい」

 検察官「瓶の破片や酪酸が近くにいた人に当たったのでは?」

 被告「いいえ。(近くにいた人は、船の)はりの後ろに移動していました」

 《法廷内の大型モニターに第2昭南丸の写真が映し出され、ベスーン被告は船員が隠れた場所として、ブリッジの出入り口近くにある柱状の構造物を指さした》

 検察官「第2昭南丸とアディ・ギル号の衝突の後、大きな船にぶつかる夢を見たそうですね?」

 被告「はい」

 検察官「それでもゴムボートに乗り、日本の船の前を横切ったりしていますね?」

 被告「はい」

 《ベスーン被告は検察官と多和田隆史裁判長を交互に見ながら、淡々と答えを続けた」

 =(7)に続く

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